【爆発するお酒】るみ子の酒とは?その理由や名前・ラベルの秘密も!

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この記事では、一昔前に有名になり、メディアでも多数取り上げられた日本酒「るみ子の酒」について改めて紹介します。
名前もそうですが、ラベルや中身も非常にユニークなお酒なので、日本酒好きの方はぜひ一度飲んでみてくださいね。

るみ子の酒とは?

机に置かれた日本酒
「るみ子の酒」とは、三重県伊賀市でお酒造りを行う森喜酒造場が造る日本酒銘柄です。
なんともユニークな名前のお酒ですね!
同蔵元には、「るみ子の酒」の他に、「妙の華」「英」といった銘柄があります。
「るみ子の酒」は、全て純米系の日本酒で、中でも「特別純米 活性濁り生原酒」は特に有名です。
なぜ、これが有名なのかは後ほど紹介するので、楽しみにしておいて下さいね。

また、ユニークなのは名前だけではありません。
漫画チックな女性のイラストが描かれたラベルも非常にユニークです。

ひと昔前に有名になった日本酒ですが、ここからは、改めて「るみ子の酒」の魅力や面白さを解説していきます。
 

るみ子の酒は爆発する!?

爆発_水しぶき
「るみ子の酒」が有名になったのには、ある理由があります。
それは、「爆発」するからです。

爆発というと、びっくりしますよね…。
正確には、日本酒の中身が開栓と同時に吹き出すというものなのですが、その高さはなんと4mにも達するとも言われています。
本当に「爆発する日本酒」ともいえる代物なのです。
実際に、爆発するお酒として、多くのテレビなどのメディアでも取り上げられています。

なぜ爆発するのか?

ですが、全ての日本酒が爆発するわけではありません。
爆発するのは、「るみ子の酒」の中でも「特別純米 活性濁り生原酒」です。
なぜ、このようなことが起こるかというと、これが活性酒だから。
活性酒とは、簡単にいうと「炭酸を含んだ日本酒」のことで、炭酸のジュースなどが吹き出すのと同じことが、日本酒でも起きているわけです。

ですが、ジュースと違い炭酸を入れているというわけではありません。
生原酒は、生酒であるため、酵母の働きを止める役割りのある加熱処理を行いません。
その結果、瓶詰め後に、勝手に瓶の中で酵母が発酵を続け、ガスがたまるのです。
その炭酸ガスが、開栓と同時に外に抜け、中身の日本酒も飛び出てくるというのが爆発するという原理です。

実際に、爆発している様子をテレビで紹介しているので、気になる方は下の動画見てみてください。
本当にびっくりしますよ!

トリビアの泉「開封した瞬間、中身がほとんど飛び出してしまうお酒がある」

るみ子の酒の誕生秘話

そんな「るみ子の酒」ですが、「爆発する」ということ以外にも、面白いエピソードを持っているお酒です。
それが、このお酒の誕生秘話です。

尾瀬あきら氏

「るみ子の酒」の誕生秘話を語るには、まず、尾瀬あきら氏という人物について語らなければいけません。

尾瀬あきら氏は、京都府出身の漫画家で、「初恋スキャンダル」という作品を代表作とし、漫画家として、その名が広まっていきます。

そして、尾瀬あきら氏の作品のひとつに「夏子の酒」という漫画があります。
「夏子の酒」のあらすじを説明すると、『広告代理店で働いていた女性が、亡き兄の意志を受け継いで「日本一の日本酒造り」に奮闘する』という物語です。
これが非常に人気で、1994年にはドラマ化もしています。

名前から察することができると思いますが、「るみ子の酒」は、尾瀬あきら氏が描いた漫画「夏子の酒」がきっかけで誕生したお酒なのです。

るみ子の酒はどうやって誕生したのか?

「夏子の酒」第5巻のあとがきに、その秘密は記載されているのですが、全てを話すと長くなってしまうので要約して説明します。

ある日、尾瀬あきら氏のもとに森喜るみ子さんという方から、このような旨の手紙が届きます。

『夏子の酒』を読みました。
実は、私も造り酒屋跡取り娘でして現在は家業を継いでいます。
かつては活気があった酒蔵なのですが、今では杜氏と代司麹づくりの責任者のみです。
ですが、今後生まれてくる子供のためにも、夏子(漫画の主人公)のように蔵に閉じこもって頑張ろうと思っています。

この手紙を読んだ尾瀬あきら氏は、放ってはおけないと、親しい戚元や酒屋を誘い、彼女の元に手伝いに行きました。
そこで、尾瀬あきら氏は、ラベルを描く手伝いをし、そうして誕生したお酒が、「るみ子の酒」なのです。


前略
 只今、平成三年六月二十二日午前一時です。先だって買ってきた『夏子の酒』を読み終えたところです。
なんと書かせていただければよいか…
 私も実は、造り酒屋の跡とり娘として生をうけました。
大学を卒業し、製薬会社へ勤務しておりましたが、父が脳梗塞で倒れ、急遽主人と結婚し、家業を継ぎました」
 こんな書き出しで始まるお手紙を私の元に送ってくれたのは三重県伊賀地方にある、たった二百石足らずの小さな小さな酒蔵、森喜酒造の蔵元、森喜るみ子さん。
銘柄は妙乃華(たえのはな)。
 『夏子の酒』の執筆中に、私はたくさんのお便りを読者から頂きましたが、その中でも夏子をほうふつとさせる、るみ子さんの一通はひときわ印象的でした。
「私も夏子の如く、麹と酒の香りとタンクのもとで育ち、物ごころつかぬうちからお酒の味を覚えました。
小学生の時には、すでに槽口からしたたる荒走り (酒槽に積まれた酒袋から圧力をかけずに、自然流出してくる最初の酒) のおいしさを心得ていて、
学校から帰ると槽場でこっそり盗み利きをしていました。
夏子のように銘柄を当てられる利き酒の達人ではありませんが″おいしいお酒″は解ると思います」
 彼女が子供の頃には能登から五人の蔵人が半年間住み込みで来てくれて、
活気のあった蔵も今では杜氏と代司麹づくりの責任者)だけ。
るみ子さんはお腹に子どもを抱えながらも、朝四時に起きて三十キロの米袋を運び、
蒸米をタンクに入れ、上槽を手伝うという。
「私は来季も、夏子の様に蔵に閉じこもると主人に宣言しました。
やがて生まれてくる三人目の子のためにも、母としてがんばるつもりでおります」
 この手紙をきっかけに、私と親しい戚元や酒屋さんが、「放っておけない」とばかりに伊賀にとび、、蔵仕事を手伝ったり、アドバイスしたりという素敵なつながりが生まれました。
『るみ子の洒』はそんな状況の中から生まれた純米酒です。
私もラベルの絵を描くお手伝いをしました。
『夏子の酒』をもじつたものではないか...という意見もありましたが、
これほど的確なネーミングは他に見当りませんでした。
現在、るみ子さんは日本酒に携わる女性の全国的なネットワーク
を作ろうとはり切っています。
三重県上野市の森喜酒造は、生き残ってもらいたい蔵のひとつです。

引用:合名会社森喜酒造場ホームページ「銘柄由来」

こうして、「るみ子の酒」は誕生しました。
心温まるエピソードです。
こういった、お酒ごとに銘柄誕生のエピソードを知っていると、さらに日本酒を飲むのが楽しくなりますね。
「るみ子の酒」だけではなく、他の日本酒にも様々な誕生エピソードが存在します。
ぜひ、この機会にご自身の好きな銘柄の誕生エピソードを探してみてくださいね。

るみ子の酒の味わいは?

にごり酒
ここからは日本酒好きのみなさんが気になるところ、「美味しいのか?その味わいは?」について解説していきます。

もちろん、銘柄によって味わいには違いがあります。
ですが、全体に共通して言えることは、全てが純米系の日本酒のため、お米の旨みをしっかり感じられる味わいだということです。
そのため、表記上は、辛口のものが多いですが、どれもお米ならではの甘みがあり、あまり辛口という印象を受けません。

また、どっしりしているだけでなく、爽やかさも持った一本なので、日本酒初心者にもおすすめな味わいと言えます。

るみ子の酒の人気銘柄5選

ここからは「るみ子の酒」の中でも、特におすすめな、銘柄を5つ紹介します。
ぜひ、一度飲んでみてくださいね。

るみ子の酒 9号酵母 特別純米酒 



旨みと辛みを持った純米酒

キレのある辛さを持った一本です。
また、純米酒ならではの旨みもしっかりとあり、どんな温度でも美味しく飲むことができます。
日本酒好きの方にであれば、万人受けすること間違いなしの味わいです。

特定名称 特別純米酒
原材料 米(山田錦)、米麹
アルコール度数 15度
精米歩合 60%
日本酒度 +6
甘口度 3.5 out of 5 stars (3.5 / 5)
香りの深さ 4 out of 5 stars (4 / 5)
総合評価 4 out of 5 stars (4 / 5)

るみ子の酒 純米酒 無濾過生 花火バージョン



夏酒にぴったりな純米酒

「るみ子の酒 純米酒 無濾過生」の花火ラベルバージョンです。
アルコール度数を14度と下げており、夏酒として楽しめる仕様にされています。
柔らかな口当たりと、コクのあるお米の旨みが感じられる一本です。

特定名称 純米酒
原材料 米(山田錦、八反錦)、米麹
アルコール度数 14度
精米歩合 60%
日本酒度 +6
甘口度 3.5 out of 5 stars (3.5 / 5)
香りの深さ 4 out of 5 stars (4 / 5)
総合評価 4 out of 5 stars (4 / 5)

るみ子の酒 特別純米 活性にごり生原酒



爆発だけじゃない!味わいも間違いなしな銘酒

爆発すると話題になったお酒こそが、この「るみ子の酒 特別純米 活性にごり生原酒」です。
爆発ばかりが話題になっていますが、味わいも間違いない一本で、炭酸のシュワシュワした口当たりの後に、コクのある米の旨みや甘みが押し寄せてきます。
「大人のビターなカルピスソーダ」と表現する方もいる味わいです。

特定名称 活性にごり酒(特別純米酒)
原材料 米(山田錦、ひとごこち)、米麹
アルコール度数 17~18度
精米歩合 60%
日本酒度 +7
甘口度 4 out of 5 stars (4 / 5)
香りの深さ 3.5 out of 5 stars (3.5 / 5)
総合評価 4.5 out of 5 stars (4.5 / 5)

るみ子の酒 特別純米酒 火入れ 6号酵母



シャープで辛口の味わいを持つ純米酒

控えめな香りに、シャープな味わいを持った一本です。
口当たりはまろやかで優しく、後味にはキレのある風味を持っています。
また、やや辛口で、お燗で飲むとさらにその美味しさを楽しめます。

特定名称 特別純米酒
原材料 米(山田錦、八反錦)、米麹
アルコール度数 15度
精米歩合 60%
日本酒度 +7
甘口度 3.5 out of 5 stars (3.5 / 5)
香りの深さ 4 out of 5 stars (4 / 5)
総合評価 4 out of 5 stars (4 / 5)

るみ子の酒 純米酒 伊勢錦 秋上がり



食欲の秋にぴったりな純米酒

果実を思わせる爽やかで、控えめな香りに、豊かなお米の旨みが詰まった一本です。
また、まろやかな口当たりを持っているのも特徴的です。
食欲の秋にぴったりな一本です。

特定名称 純米酒
原材料 米(伊勢錦、山田錦)、米麹
アルコール度数 15度
精米歩合 60%
日本酒度 +6
甘口度 4 out of 5 stars (4 / 5)
香りの深さ 4 out of 5 stars (4 / 5)
総合評価 4.5 out of 5 stars (4.5 / 5)

まとめ

この記事では、爆破するお酒としても有名な日本酒銘柄「るみ子の酒」について解説しました。
誕生秘話も非常に面白いお酒ですね。
日本酒好きの方は、ぜひこの機会に一度飲んでみてくださいね。

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