この記事では、福島県で造られる日本酒「宮泉」について、その味わいや特徴、人気おすすめ銘柄7選などを紹介します。
また、同蔵元が造る日本酒「写楽」との違いも解説するので、日本酒好きは必見です。
「宮泉」を飲んでみたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
宮泉とはどんな日本酒?
「宮泉」とは、宮泉銘醸(みやいずみめいじょう)株式会社が造る日本酒で、この蔵元の代表銘柄でもあります。
正式には、「宮泉」ではなく、「會津宮泉(あいづみやいずみ)」という名前で、通年商品だけでも13銘柄もある、ラインナップが豊富な日本酒です。
種類も、純米酒、吟醸酒をはじめ、貴醸酒、生酒など多くのものがあります。
全国に日本酒の蔵元は1400以上あり、銘柄数は1万を超えるとも言われています。
そんな中で、多くの人に知られ、愛されることは至難の業。
ですが、その名を全国に轟かせており、全国各地で調べられるほど、人気のある日本酒が「宮泉」なのです。
写楽との違いは?
宮泉銘醸の造る日本酒で、「宮泉」以外にもう一つ代表銘柄があります。
それが「写楽(しゃらく)」です。
こちらも、全国区で有名なお酒であり、プロモーションでいうと写楽の方が断然されています。
同じ蔵元であり、どちらも全国屈指の実力を持つ「宮泉」と「写楽」ですが、実は、この2つ銘柄の違いが日本酒好きの間で注目されています。
ここでは、この2つの銘柄の違いを解説していきます。
販売地域が違う
まず、大きく違うのは販売地域です。
先ほど、写楽の方がプロモーションされていると言いましたが、それもそのはず。
写楽の販売地域で全国区ですが、宮泉は地元だけだからです。
そのため、知名度だけでいうと、写楽の方が有名かもしれません。
ですが、ここで述べたいのは、地元でしか販売されていないはずの「宮泉」がここまで有名になってしまっていることです。
宮泉にどれだけの実力があるかが伺えますね。
宮泉の味わいは?
また、味わいも「写楽」とは多少変わってきます。
宮泉は、「辛口で、旨みを重視したさっぱりとした酒質」なのに対し、写楽は「甘口から中口で、酸味をアクセントとした酒質」です。
つまり、2つともがお互いを補うような関係なんですね。
宮泉を飲んでみて「もう少し甘めがいいな」と感じた方は、写楽を、
写楽を飲んでみて「もう少し辛めがいいな」と感じた方は、宮泉を飲んでみてくださいね。
ちなみに、写楽に関して、こちらの記事で詳しく紹介しています。
「宮泉」金賞受賞までの裏エピソード
2018年、「SAKE COMPETITION」という、全国最多の日本酒が集まる日本酒品評会で「宮泉 純米酒」が純米酒部門で金賞を受賞しました。日本一に輝いたのです。
実は、この金賞受賞の裏にはちょっとした感動するエピソードがあります。
写楽の誕生と酒造りの改革
もともと、宮泉銘醸は今のように有名な銘柄を持つ酒蔵ではありませんでした。
ですが、同じ福島の酒である「飛露喜」などに感化された杜氏が、お酒の設計を見直し始めます。
そんな折、同じ福島のとある酒蔵が廃業することになり、日本酒銘柄「写楽」を引き継ぐことになりました。
そうして、宮泉銘醸の新しい日本酒の味は〈宮泉銘醸の「写楽」〉として広がっていきます。
これが現在全国区で販売されている「写楽」の誕生です。
宮泉に込められた想い
その一方で、なかなか日の目を浴びなかったのが、「宮泉」です。
「写楽」が誕生する前から、多くの杜氏がバトンを繋いでいたお酒ですが、かつての酒造りのままであったため、「写楽」が注目を浴びる一方で、「宮泉」は全くダメだったのです。
ですが、かつての宮泉銘醸を支えていたのは、紛れもなく「宮泉」です。
そこで、当時の杜氏が「宮泉を写楽に負けないお酒にし、これを守り続けてくれた歴代の杜氏や蔵人に恩返しをする」と宣言し、宮泉の質を、写楽と同じ地点まで上げはじめたのです。
2018年、ダブル受賞
そして2018年、その宣言は現実になります。
なんと、「SAKE COMPETITION 純米部門」で宮泉が金賞を受賞したのです。
写楽は、2014年に同コンペティションで金賞を受賞した実績があり、2018年の純米酒部門ではも5位と、こちらも好成績をおさめています。
2018年の「SAKE COMPETITION」は、宮泉が、名実共に写楽と肩を並べた瞬間だったのです。
宮泉の人気おすすめラインナップ7選
ここからは、そんな宮泉の中でも特におすすめなラインナップ7選を紹介します。
どれを飲もうか迷ったら、これで決まりです。
宮泉 純米酒
金賞受賞酒!バランスのとれた一本
「SAKE COMPETITION 純米部門」で金賞を受賞したお酒こそが、この「宮泉 純米酒」です。
米の旨みと、酸味、後味のキレの良さが特徴的で、バランスのとれた味わいを持っています。
日本酒初心者の方でも、飲みやすいこと間違いなしの一本です。
特定名称 | 純米酒 | 原材料 | 米(夢の香)、米麹 | アルコール度数 | 16度 | 精米歩合 | 60% | 日本酒度 | — | 甘口度 | (4.5 / 5) | 香りの深さ | (4 / 5) | 総合評価 | (4.5 / 5) |
宮泉 純米吟醸 短稈渡船
幻の米を使った、純米吟醸酒
幻の米とも言われる「短桿渡船」を使った純米吟醸酒です。
「短桿渡船」は、酒造好適米山田錦の父親といえる存在で、日本酒に使われることは稀です。
奥行きのある米の旨み、柔らかな口当たりが特徴的な一本です。
特定名称 | 純米吟醸 | 原材料 | 米(短稈渡船)、米麹 | アルコール度数 | 16度 | 精米歩合 | 50% | 日本酒度 | — | 甘口度 | (4 / 5) | 香りの深さ | (4 / 5) | 総合評価 | (4 / 5) |
宮泉 純米吟醸 山田穂
初心者にもおすすめなフルーティーな味わい
リンゴを思わせるようなフルーティーな香りが特徴的な純米吟醸酒です。
フレッシュな酸味も持っており、口当たりも柔らかです。
日本酒初心者の方でも飲みやすい銘酒です。
特定名称 | 純米吟醸 | 原材料 | 米(山田穂)、米麹 | アルコール度数 | 16度 | 精米歩合 | 50% | 日本酒度 | — | 甘口度 | (4.5 / 5) | 香りの深さ | (4.5 / 5) | 総合評価 | (4.5 / 5) |
宮泉 貴醸酒 火入
強い甘みを持つ貴醸酒
貴醸酒という種類の日本酒になります。
貴醸酒とは、米の代わりに酒で仕込んだ日本酒のことで、甘口の味わいを持っているのが特徴的です。
「宮泉 貴醸酒」は、酸を感じる香りと、強い甘みが特徴的です。
ただ、甘みが強いというだけでなく、酸味や、日本酒ならではのクセもあり、バランスの取れた日本酒です。
普通の貴醸酒よりもやや甘みを感じにくいので、日本酒初心者はもちろん、日本酒通な人まで楽しめること間違いなしの一本です。
特定名称 | 貴醸酒 | 原材料 | 米(五百万石)、米麹 | アルコール度数 | 16度 | 精米歩合 | 50% | 日本酒度 | — | 甘口度 | (5 / 5) | 香りの深さ | (4 / 5) | 総合評価 | (4.5 / 5) |
宮泉 吟醸
マスカットのような上品な香りを持つ吟醸酒
純米系のお酒が多い「宮泉」の中で、純米系を差し置いて今定番となりつつあるのが、この「宮泉 吟醸」です。
マスカットを思わせる上品な香りに、豊かな米の旨みを持っているのが特徴的です。
吟醸系の日本酒が好きな方には特におすすめな一本。
特定名称 | 吟醸酒 | 原材料 | 米(五百万石)、米麹、醸造アルコール | アルコール度数 | 16度 | 精米歩合 | 50% | 日本酒度 | — | 甘口度 | (3.5 / 5) | 香りの深さ | (4.5 / 5) | 総合評価 | (4 / 5) |
宮泉 大吟醸
鑑評会のために醸される特別な一本
酒造好適米である「山田錦」を使った大吟醸です。
この日本酒は、鑑評会の吟醸部門のために造られる特別な一本でもあります。
華やかな吟醸香と、軽く、爽やかな口当たりが特徴的です。
また、後にはしっかりとしたコクも持ち合わせており、飲みごたえのある一本でもあります。
特定名称 | 大吟醸 | 原材料 | 米(山田錦)、米麹 | アルコール度数 | 16度 | 精米歩合 | 40% | 日本酒度 | — | 甘口度 | (4 / 5) | 香りの深さ | (4.5 / 5) | 総合評価 | (4.5 / 5) |
宮泉 純米にごり 生酒
商品紹介見出しをここに書く
冬季に販売される純米にごり酒です。
にごり酒は、通常の日本酒と異なり、白く濁っており、米の旨みが存分に楽しめる味わいに仕上がっています。
「宮泉 純米にごり 生酒」も、米の旨みや甘みを存分に楽しめる味わいに仕上がっています。
また、フレッシュで爽やかな風味も持っており、日本酒初心者にもおすすめな一本です。
特定名称 | 純米(にごり酒) | 原材料 | 米(五百万石・夢の香)、米麹 | アルコール度数 | 16度 | 精米歩合 | 60% | 日本酒度 | — | 甘口度 | (4.5 / 5) | 香りの深さ | (4 / 5) | 総合評価 | (4.5 / 5) |
まとめ
この記事では、日本酒銘柄「宮泉」について解説しました。
全国的にはまだまだ同蔵元が造る「写楽」の方が有名かもしれませんが、「宮泉」もそれに負けず劣らずの銘酒です。
ぜひ、この機会に一度飲んでみてくださいね。