多くの芸術家を魅了した「禁断のお酒」「魔酒」と称されるお酒「アブサン」をご存知でしょうか?
このような異名を聞いてしまったら、お酒好きであれば一度は飲んでみたくなりますね。
そこで、この記事ではそんな「アブサン」の正体や、禁断のお酒と称される理由、おすすめの飲み方を解説します。
お酒好きの方は、ぜひこの機会にアブサンを覚えてくださいね。
禁断のお酒「アブサン」とは?
アブサンというお酒を「初めて聞いた」という方も少なくはないのではないでしょうか?
まずは、アブサンについて基本的なことから紹介していきます。
アブサン初心者の方は必読です。
薬草を使ったリキュール「アブサン」
アブサンの正体は、薬草などのハーブを原材料としたリキュールです。
ジャンルとして近いものでイエーガーマイスターなどのお酒があります。
アブサンは、フランスやスイス、チェコなどのヨーロッパ諸国で造られており、1830年以降にフランスを中心に広がりました。
もともとは、1792年にスイス人の医者が独自で開発した薬酒でしたが、フランス兵が病気の予防のために飲みだしたのが広まったきっかけです。
アブサンのアルコール度数は?何色なの?
アブサンの特徴のひとつして、魅惑的な色をしていることが挙げられます。
アブサンは淡い緑色をしており、非常に珍しい色をしたお酒です。
また、アブサンのもう一つの特徴として高いアルコール度数というものが挙げられます。
アブサンのアルコール度数は一般的には、40%〜70%のものが多く、中には90%以上のアルコール度数を誇るものもあります。
銘柄によっても異なりますが、他のお酒と比べても高い度数を持っていることは間違いありません。
アブサンの味わい
アブサンは、薬草である「ニガヨモギ」などを主成分としたリキュールです。
そのため、薬草ならではの強烈な強い苦味を持っています。
ですが、苦いだけではなく、その中に少しの甘みも持っており、爽やかな香りも持っています。
非常に個性的な味わいなのですが、飲む人を魅了してしまう不思議な味わいです。
「禁断のお酒」と言われる理由
多くの芸術家を魅了したお酒
アブサンは「禁断のお酒」「魔酒」と称されているお酒です。
多くの名だたる芸術家が愛飲していたことでも有名で、オランダの画家であるゴッホや同じく画家のピカソ、ロートレックなども飲んでいました。
また、日本を代表する作家である太宰治の小説中にも、自身が飲んでいた思わせるような記述があります。
自身の心身と戦いながら、数奇な運命を辿ることが多い芸術家。
なぜそんな芸術家の多くが「アブサン」に魅了されたのでしょうか?
幻覚を引き起こすお酒
実は、アブサンの主成分であるニガヨモギには、「ツヨン」という成分が入っており、「ツヨン」を過剰摂取すると、幻覚を引き起こしたり、錯乱状態になると言われています。
「ツヨン」は、他のハーブやコリアンダーなど、お酒にもよく使われる材料にも入っていますが、その量はごくわずかです。
ニガヨモギを主成分とするアブサンは、この「ツヨン」を多く含んでいるため社会的な危険が懸念され、1915年にはフランスで製造禁止になってしまいました。
時を同じくして、産みの親であるスイスやアメリカでも製造や販売が中止になっています。
名だたる芸術家が、アブサンの成分である「ツヨン」に魅了され数奇な運命を辿ることになってしまったのかは定かではありません。
ですが、アブサンとはそんな一面も持つ「禁断のお酒」であることは事実なのです。
1981年に製造が再開
そんなアブサンですが、実は1981年の世界保健機関(WHO)の規制緩和により、「ツヨン」の許容量を限定することで、各諸国での製造が再開されました。
そのため、今ではフランスではもちろん、日本でも飲むことができます。
その人気は相も変わらず。
今では400種類以上の銘柄があるとも言われています。
アブサンのおすすめの飲み方
ここまでは、アブサンが「禁断のお酒」と言われる所以などを解説してきました。
こんな話を聞くと、一度は飲んでみてしまいたくなるますよね。
ここからは、そんなアブサン初心者必見のおすすめの飲み方を紹介します。
角砂糖を入れて飲む|アブサン・ドリップ
アブサンの飲み方で最もポピュラーなのが、このアブサン・ドリップと言われる角砂糖を入れるものです。
これを作るには、「アブサンスプーン」という専用のスプーンを使用しますが、今ではネットでも購入できるので、ぜひこの機会に手に入れくださいね。
アブサン・ドリップの作り方は簡単です。
まず、アブサンを注いだグラスの上に、アブサンスプーンを置きます。
次に、アブサンスプーンの上に角砂糖を置き、水を一滴ずつ垂らしていきます。
この過程が非常に芸術的で、アブサンに水が加わると徐々に白く濁っていきます。
これを楽しむのもアブサン・ドリップのひとつの楽しみ方です。
最後に、程よく角砂糖が溶けたら、混ぜて完成です。
また、火を点けて作る方法もありこ、ちらも非常にオシャレです。
その様子は下の動画で見れるので、ぜひ一度見てみて下さいね。
他のカクテルもおすすめ|ナイン・ピック
アブサン・ドリップ以外にも、アブサンを使った美味しいカクテルは多く存在します。
「ナイン・ピック」もそんなカクテルの一つです。
ナイン・ピックは、アブサンとジンを使用したカクテルで、ビリヤードでの勝ちを意味する言葉が由来とされています。
キリッとした鋭い風味の味わいを持っています。
ナイン・ピックの作り方は、アブサン:ジン=2:1になるように準備します。
次に、アロマチックビターズ、オレンジビターズ、ガムシロップを少量入れ、シェークします。
最後にカクテルグラスに注いで完成です。
家で全ての材料が揃うという方は少ないと思うので、興味がある方はバーなどでぜひ飲んでみて下さいね。
ストレートで飲む
最後に紹介するのは、ストレートで飲むという飲み方です。
アブサンはアルコール度数が極めて高く、強烈な苦味を持っているため一般的にはカクテルにされることがほとんどです。
ですが、中にはアブサンそのものの味わいを楽しみたいという方もおり、そういう方はストレートで楽しみます。
もし、興味がある方は一度試してみてくださいね。
アブサンの人気おすすめ7選
アブサン・ラ・シャルロット
19世紀当時のレシピをもとに造られたアブサン
フランスのアブサン製造の老舗メーカーが、19世紀当時のレシピをもとに造ったアブサンです。
>まろやかな口あたりと、華やかなで芳香が特徴的な一本。
また、苦味が抑えられており、アブサン初心者の方でもおすすめです。
名称 | アブサン | 原産国 | スイス | アルコール度数 | 55% | 香りの深さ | (4.5 / 5) | 飲みやすさ | (4.5 / 5) | 総合評価 | (4.5 / 5) |
アブサン チェコ
チェコで造られるスパイシーなアブサン
チェコのグリーン・ツリー蒸留所が造るアブサンです。
ニガヨモギによるスパイシーな苦味が特徴的で、アブサンらしい味わいを楽しむことができます。
アルコール度数も高く、飲みごたえのある味わいです。
名称 | アブサン | 原産国 | チェコ | アルコール度数 | 70% | 香りの深さ | (4 / 5) | 飲みやすさ | (3.5 / 5) | 総合評価 | (4 / 5) |
アブサント55
甘みの強い、飲みやすいアブサン
アブサン解禁後、初めて日本に入荷したのがこのアブサンです。
一般的なアブサンよりも、アルコール度数は抑えめで、ツヨンの量も抑えられています。
また、甘みも強めなため、飲みやすい味わいです。
名称 | アブサン | 原産国 | フランス | アルコール度数 | 55% | 香りの深さ | (4 / 5) | 飲みやすさ | (4.5 / 5) | 総合評価 | (4.5 / 5) |
アカネヤ アブサン クスシキ
日本で誕生したアブサン
有名芋焼酎である「晴耕雨讀(せいこううどく)」などを造る鹿児島の蔵元、佐多宗二商店が造っています。
ニガヨモギ・スターアニスを中心に39のボタニカルを使ったアブサンで、ニガヨモギは完全無肥料・無農薬の自家製のものを使用しています。
複雑な味わいでありながらも、日本人の舌に馴染む味わいです。
名称 | アブサン | 原産国 | 日本 | アルコール度数 | 53% | 香りの深さ | (3.5 / 5) | 飲みやすさ | (4.5 / 5) | 総合評価 | (4 / 5) |
キュブラー アブサン
無色透明なスッキリとした風味のアブサン
アブサン発祥の地とされるスイスのヴァル・ド・トラベール村の薬草を使用して造られるアブサンです。
人工添加物、人工着色料、糖分などは一切使っておらず、他のアブサンとは異なり無色透明な色合いが特徴的。
スッキリとした味わいで、ドライな後味を持っています。
名称 | アブサン | 原産国 | スイス | アルコール度数 | 53% | 香りの深さ | (3.5 / 5) | 飲みやすさ | (4.5 / 5) | 総合評価 | (4.5 / 5) |
アブサン マンサン by マリリン・マンソン
マリリン・マンソンがプロデュースした一本
マリリン・マンソンも、アブサンを愛した著名人の一人。
そんな彼女がプロデュースしたアブサンがこちらです。
丸みのある芳香な香り、バランスのとれた爽やかな風味を持っています。
名称 | アブサン | 原産国 | スイス | アルコール度数 | 66% | 香りの深さ | (4.5 / 5) | 飲みやすさ | (4 / 5) | 総合評価 | (4.5 / 5) |
ペルノ アブサン
フランスを代表する伝統的なアブサン
フランスでは食前酒としてよく飲まれているアブサンで、「アブサン」というお酒を代表する一本です。
15種類のハーブから造られており、爽やかな風味を持っています。
また、コスパもよく、初めてアブサンを飲むという方にもおすすめな一本です。
名称 | アブサン | 原産国 | フランス | アルコール度数 | 68% | 香りの深さ | (4 / 5) | 飲みやすさ | (4 / 5) | 総合評価 | (4.5 / 5) |
まとめ
この記事では、禁断のお酒とも言われる「アブサン」について、その正体や特徴、おすすめの飲み方を紹介し、最後には人気おすすめ銘柄7選も紹介しました。
魅惑とも言える味わいから熱狂的なファンがいる魔性のお酒が「アブサン」です。
興味がある方は、ぜひ一度飲んでみてくださいね。